足の痛みの発生部位と考えられる疾患

足に痛みを引き起こす疾患は様々あります。ですが原因疾患による足の痛みや圧痛点の発生部位は、それぞれ特徴的です。このことだけで確定診断はできませんが足の痛みや圧痛点を知ることで大まかな原因疾患を判別しやすくなります。ここでは足の痛みの発生部位と考えられる主要な疾患を表にまとめてみました。

部位 疾患 概説
足関節部 変形性足関節症 ほかの荷重関節に比べて発症は少ない。外傷後の二次性関節症が多い。
三角骨症候群 距骨後突起部の過剰骨が底屈位で挟まれるもの。
果部骨折 足部の骨折のなかで最も頻度の高い骨折の1つです。発生時の肢位を知ることが治療に重要です。
距骨骨折 壊死の発生や予防に留意する。
靱帯損傷 足関節の靱帯損傷は、外傷の中で最も発生頻度の高いケガです。不十分な治療により痛みが持続し、不安定感が残存するようになる。
足根同症候群 原因の大部分が外傷であり、足の捻挫と同様の受傷機転で起こる。
腓骨筋腱脱臼 腱溝が浅かったり、筋支帯が脆弱なところに外傷が加わって起こる。
フットボーラーズアンクル スポーツ選手にみられる距骨頸部背側できる骨棘。
踵部 アキレス腱炎 アキレス腱自体の炎症と腱を包むパラテノンの炎症がある。
アキレス腱周囲滑液包炎 アキレス腱の踵骨隆起の付着部周辺の滑液包が履物で圧迫刺激を受けて、炎症を起こして痛みが生じたもの。
踵骨棘 足底筋の起始部の牽引力が働き、有痛性の骨棘が生じたもの。
踵骨骨折 高所からの転落で受傷し、骨折の程度と痛みとは必ずしも一致しない。
足根管症候群 ガングリオン、距踵間癒合症、外傷など、明らかな原因のあるものが多い。
踵骨骨端症(シーバー病) 8~12歳の学童期に起こる踵骨後方端の疼痛状態をいう。
中足部 扁平足 土踏まずにあたる部分の縦アーチがなくなることをさす。
外脛骨障害 外脛骨(副舟状骨)は約2割に存在し、舟状骨と線維性か軟骨性に結合している場合に痛みが生じます。
リスフラン関節脱臼骨折 直達・介達外力のいずれでも起こり、骨折を伴う。縦アーチの頂点にあたるために痛みが長く続きます。
第5中足骨基部骨折 下駄骨折ともいって、短腓骨筋の牽引力で骨折します。
第1ケーラー病 舟状骨骨核の無腐性壊死で、3~8歳の男児に多い。
足底腱膜炎 踵の前方下部に歩行時に刺すような強い痛みがあり、前足底への放散痛もある。
前足部 外反母趾 第1中足趾節関節(MTP関節)で母趾がが外反した変形。
強剛母趾 高齢者に多く、MTP関節の関節症。
種子骨障害 母趾の底側にある種子骨が二分したり、骨折、壊死、関節症などで痛みが生じたもの。
槌趾 足趾のPIP関節(第2関節)が屈曲し、DIP関節(第1関節)が伸展するのが槌趾です。そのほかにマレット趾、鷲爪趾がある。
第2ケーラー病(フライバーグ病) 10歳代の女子に多い第2・3中足骨骨頭の無腐性壊死。
行軍骨折 疲労骨折で、第2・3中足骨頸部に起こります。代表的なスポーツ傷害の1つです。
モートン病 第3・4もしくは第2・3中足骨骨頭間で、趾神経が圧迫されて起こる絞扼性神経障害です。

 

 

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