ぎっくり腰(急性腰痛)
突然、腰に強い痛みが起こるのが「急性腰痛」で、いわゆる「ぎっくり腰」です。
ぎっくり腰などの急性腰痛の多くは、ほんのちょっとしたきっかけで突然、腰に激痛が起こります。
ぎっくり腰の症状
- 腰の強い痛み
- 腰の痛みで動けない・歩けない
- 少し前かがみになった状態が楽
- 横になって安静にしていれば痛くない
急性腰痛が起こると、強い腰の痛みのため動けなくなったり、歩くのが困難になるといったように動作が制限されます。
症状の程度には個人差があり、ものにつかまりながらなんとか動けるという人もいれば、痛みのためにほとんど動けなくなる人もいます。
少し前かがみになったり、横向きで寝ると痛みが楽になることが多いようです。
ただ、注意しなければならないのは、急な強い痛みは必ずしもぎっくり腰とは限らないことです。
症状として腰痛が現れる病気は多数あり、なかには非常に重大なものもあります。
ですので、危険な病気を見過ごさないことが重要になります。
目安としては「どんな姿勢をとっても楽にならない」「発熱を伴う」「冷や汗が出る」といった症状がみられる場合は、なるべく早く専門機関を受診必要があります。
ぎっくり腰を引き起こす誘因
- 重いものを持つ
- かがむ動作
- 腰をねじる
引き金となる動作には、重いものを持ったり、かがんだり、腰をねじるなど、誘因が思い当たりこともありますが、特に誘因もなく起こる場合も少なくありません。
また、腰椎になんらかの病気があり、加えて無理な姿勢をとったり、無理な動作をしたために急激に強い痛みを引き起こすこともあります。
ぎっくり腰の痛みの原因
- 腰椎の椎間関節のねんざ
- 腰椎の靭帯損傷
- 腰椎関節包のめくれ、ねじれ
- 腰部の筋肉の損傷
痛みが起こる原因は、腰椎の椎間関節のねんざや靭帯軽度の損傷、関節包のめくれやねじれによるものです。
腰背筋の筋膜の損傷(肉ばなれ)が原因となることもあり、この場合は「筋膜性腰痛」とよぶこともあります。
腰椎椎間板ヘルニアが原因となっていることも多く見られます。
ぎっくり腰の自宅での対処法
ぎっくり腰などで腰痛が起こった場合、痛みが強いときに無理に動くことはよくありません。
急性期は楽に感じる姿勢で安静を保ちます。
ひざを曲げて横向きに寝る体勢が腰への負担が軽い姿勢になり、楽なことが多いです。
ぎっくり腰なら、しばらく安静を保っていると、痛みは徐々に軽くなります。
軽症の場合は、そのまま治ることもあります。
気を付けたい点としては、何日もゴロゴロと横にならないことです。
それではかって回復が遅れることが知られています。
もちろん、痛みが強くて動けないというときは無理に動く必要はありませんが、動ける程度に痛みが治まってきたら安静を守るのは2~3日程度にとどめます。
それを過ぎたら、無理をしない範囲で日常の生活に徐々に戻していきます。
その方が回復も早くなります。
ぎっくり腰の一般的な治療法
検査の結果、ほかの病気が関係していないことが分かれば、痛みを抑える治療をします。
薬物療法では、痛みを鎮める非ステロイド性消炎鎮痛薬の内服薬や坐薬、外用薬の貼り薬や塗り薬が処方されます。
筋膜性腰痛で筋肉のこりがひどい場合は、筋弛緩薬を用いることもあります。
腰椎コルセットを希望する場合は、布製のやわらかいタイプのものを用います。
痛みが強いときには、注射による治療も行われます。
関節や筋肉に局所麻酔薬を注射する方法も行われます。
あおし整骨院のぎっくり腰の施術
当院でのぎっくり腰の施術は、発症初期のころは、電気治療などの理学療法、固定が中心です。
炎症が治まったり、痛みが落ち着いてきたら関節可動改善などの関節矯正、運動療法も行って痛めた部分をもとの機能に戻すよう働きかけます。
ですが、無理をしたなどの思い当たる原因がない場合や改善の悪い方は、患部以外の問題への治療も必要と考えます。
一例として、「運動機能障害」があります。
人それぞれ生まれてから現在までの動作のクセ、仕事、生活習慣や環境などにより特定の運動パターンが発生しています。この特定の運動パターンのうち、問題を引き起こす悪い運動パターンになっている状態を「運動機能障害」といいます。
運動機能障害があると筋力低下や柔軟性の低下、骨格の歪み、異常可動などの問題を引き起こし、ぎっくり腰など腰の痛みにつながります。
当院ではこのような自覚症状のない問題を根本原因と考え、身体全体の筋肉や骨格を正しい運動パターンに整えることも必要に応じて同時に行っています。