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手の腱鞘炎(けんしょうえん)

2018.03.16 | Category: ケガ・急な痛み,慢性症状,手関節・手指の問題

手指のを動かす腱は、腱鞘(けんしょう)という鞘(さや)のようなものに包まれています。

指の使い過ぎなどで、腱と腱鞘がこすれ合い、炎症が起こるのが腱鞘炎(けんしょうえん)です。

手指に多く見られ、「ばね指」や「ドケルバン病」が代表的な腱鞘炎です。

腱鞘炎とは

腱鞘炎とは、腱を包んでいる2つの腱鞘のうち、滑膜性腱鞘の滑膜に炎症が起こった状態です。

手や指には、手指を曲げ伸ばしする腱があります。手指の腱には指を曲げる「屈筋腱」と指を伸ばす「伸筋腱」があり、屈筋腱は手のひら側に、伸筋腱は手の甲側にあります。

腱の周りは、「滑膜性腱鞘」に包まれ、さらにその周りは、「靭帯性腱鞘」によって包まれています。

滑膜性腱鞘は、「滑液包」とも呼ばれる袋状の組織で、そのなかには少量の滑液があり、腱の動きを滑らかにしています。

一方、靭帯性腱鞘は、指を動かした際に腱が浮き上がらないように押さえつける役割をしています。

腱鞘炎とは、腱を包んでいる2つの腱鞘のうち、滑膜性腱鞘の滑膜に炎症が起こった状態です。

腱鞘炎が起こる仕組み

指を動かすと腱と腱鞘がこすれ合います。

腱と靭帯性腱鞘は硬い組織ですが、その間にある滑膜性腱鞘は軟らかいため、腱と靭帯性腱鞘がこすれ合う刺激を受け止めることになります。

その結果、滑膜性腱鞘に炎症が起こり腱鞘炎が発症すると考えられます。

腱鞘炎は、腱鞘のあるところなら、どこにでも起こる可能性がありますが、最も発症頻度の高いのが手指です。

手指の場合は、利き手に起こることが多く、特に親指(母指)に最も多く発症します。

腱鞘炎の症状

腱鞘炎によって滑膜に炎症が起こると

  • 指をうまく動かせない
  • 動かすと痛む
  • 指が腫れる
  • 指の曲げ伸ばしで引っかかる

といった症状が現れます。

指を曲げ伸ばしすると、引っかかるような腱鞘炎の場合は、「ばね指」と呼ばれています。

親指の付け根に痛みなどの症状がある腱鞘炎の場合は、「ドケンルバン氏病」と呼ばれています。

腱鞘炎の原因

腱鞘炎の原因になるのが手や指の使い過ぎです。

手指を頻繁に使うほど、腱と腱鞘がこすれる機会が増え、腱鞘炎が発症しやすくなります。

ゴルフやテニス、野球のように、手や指に力の加わるスポーツのしすぎも原因になります。

そのほか、結核や細菌による感染症、慢性関節リウマチといった病気が原因で腱鞘炎が起こる場合もあります。

腱鞘炎は、女性に多い症状ですが、その原因の1つに更年期や妊娠、出産などにより、女性ホルモンのバランスが乱れ、手指にむくみを生じることがあげられています。

整形外科・病院での一般的な腱鞘炎の治療

腱鞘炎の治療法には、大きく分けて保存療法(非手術療法)と手術療法があります。

患者さんの生活習慣などによりますが、多くは保存療法でだいたい改善されます。

腱鞘炎の保存療法

一般に腱鞘炎の治療法では、最初に保存療法を行います。

保存療法には、次にあげる患部を安静と薬物療法があります。

患部の安静

腱鞘炎の場合、患部を安静にして、動かさないようにすることが大事です。

手指を使う必要のある場合は、できるだけ健康なほうの手指を使うようにします。

ドケルバン氏病の場合は、親指が動かないように包帯やサポーターで固定すると効果的です。

固定する場合、指先の関節が動くようにしておくと、仕事などへの支障を軽減できます。

仕事や家事などで、手指を使わないようにすることは、なかなか難しいことですが、無理のない範囲で安静を心掛けることが重要です。

薬物療法

腱鞘炎の痛みには、炎症を抑える非ステロイド性消炎鎮痛薬が用いられます。

非ステロイド性消炎鎮痛薬には、軟膏、湿布薬、内服薬などがありますが、手首では、皮膚から比較的浅いところに腱鞘がありますので、軟膏や湿布薬のも効果的です。

内服薬の場合は、初めに1~2週間程度用いて、その効果を見ながら継続するかどうか判断していくことが多いようです。

腱鞘炎の症状が強い場合は、滑膜性腱鞘の内部に抗炎症作用のあるステロイド薬を直接注射します。

1回の注射でよくなることも多いようですが、症状の改善が悪い場合は、1週間ほど間隔を空けて再注射していきます。

注射は、1週間程度の間隔で3~4回行い、1か月ほど休んでから再び注射を行っていくようです。

腱鞘炎の手術療法

保存療法では、効果のない場合や腱鞘炎を何度も繰り返したり、早く治したいと希望する場合には手術が行われます。

一般に手術は、局所麻酔をかけ、切開して行われます。

腱がこすれないように患部の靭帯性腱鞘を切り開きますが、靭帯性腱鞘の一部を切除することもあります。

手の場合、手術は通院で行われ、15~30分程度で終了します。

手術後1週間~10日ほどで治りますが、手術直後は、患部を水につけないように注意するとともに安静が必要です。

こうした切開手術以外に針先を靭帯性腱鞘に刺してこれを切開する「皮下腱鞘切開」や関節鏡を用いた手術を行っている施設もあります。

あおし整骨院での腱鞘炎の施術

当院での腱鞘炎の施術は関節可動改善などの関節矯正、運動療法、電気治療などの理学療法、固定が中心です。

ですが、無理をしたなどの思い当たる原因がない場合や改善の悪い方は、患部以外の問題への治療も必要と考えます。

一例として、「運動機能障害」があります。

人それぞれ生まれてから現在までの動作のクセ、仕事、生活習慣や環境などにより特定の運動パターンが発生しています。この特定の運動パターンのうち、問題を引き起こす悪い運動パターンになっている状態を「運動機能障害」といいます。

運動機能障害があると筋力低下や柔軟性の低下、骨格の歪み、異常可動などの問題を引き起こし、腱鞘炎など手指の痛みにつながります。

当院ではこのような自覚症状のない問題を根本原因と考え、身体全体の筋肉や骨格を正しい運動パターンに整えることも必要に応じて同時に行っています。

腱鞘炎のときの日常生活での注意

手指に負担をかけすぎないことも大切です。

日常生活の中では、次のことも注意することで手指の負担軽減になります。

手指の付け根への刺激を避ける

物を手に持つと、手指の屈筋腱に負担をかけます。

バックは、手に持たなくて済むように、肩にかけたり、背負うタイプのものを使うと手指の負担軽減になります。

また、ゴルフのクラブやテニスのラケットなどを握ると強い刺激が加わります。

腱鞘炎を起こしやすい人は、クラブやラケットの持ち手を太くすることで負担を軽減することが劇ます。

スポーツに限らず、包丁など日常生活で使う道具を持ちやすいものに変える工夫をすることが腱鞘炎の予防になります。

編み物やキーボードを使った作業を長時間続けることは好ましくありません。

定期的に休憩をとることも重要です。

指がむくんで腫れている場合は、手を心臓の高さより上に上げると効果があります。

そのほかにも日常生活のなかで無意識のうちに、手指に負担をかけていることがあると思います。

日ごろから、手指に過剰な負担をかけないように注意したいものです。


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