肩の前が痛い(上腕二頭筋長頭腱炎)
肩の前側に痛みを引き起こすケガの一つに「上腕二頭筋長頭腱炎」があります。
上腕二頭筋長頭腱炎とは
上腕二頭筋は、ポパイの「力こぶ」でよく知られている筋肉で上腕に位置していて、その名前の通り、長頭と短頭の2つの筋肉によりなっています。
そのうちの上腕二頭筋長頭腱は、結節間溝という溝を通っています。
さらにその中で90°走行を変えているうえに肩関節のあらゆる方向に際して円滑な滑動が要求されるために機械的に障害が発生しやすくなっています。
上腕二頭筋長頭腱炎は、その部分で摩擦を受け、炎症が引き起こされたものをいいます。
上腕二頭筋長頭腱炎を引き起こす原因
- テニス、野球などの投球動作に伴うスポーツ活動で発生率が高い
- 上肢を挙上した状態での労働など
- 緊張した上腕二頭筋に対して突然強い伸長力が加わった際に発生
- 上腕二頭筋長頭腱が大きく動く肩関節の運動を主体に行う労働
- 上腕二頭筋長頭への負担が多い日常生活活動の反復
上腕二頭筋長頭腱炎の症状
- 肩関節前面(結節間溝)の運動痛・圧痛
- 三角筋付着部や上腕二頭筋部への放散痛
上腕二頭筋長頭腱炎の一般的な治療法
疼痛緩和の消炎鎮痛薬や結節間溝内へのステロイド剤+麻酔薬の注入が行われます。肩関節や肘関節の安静が重要で必要に応じて三角巾を使用します。
炎症が治まってきたら運動療法が行われます。
あおし整骨院の上腕二頭筋長頭腱炎の施術
疼痛緩和を目的として電気療法、超音波療法などの物理療法を行います。患部の安静を保つための固定も必要に応じて行います。
炎症が落ち着いてきたら運動療法を行います。
ですが、症状を頻繁に繰り返す、無理をしたなどの思い当たる原因がない場合や改善の悪い方は、患部以外の問題への治療も必要と考えます。
一例として、「運動機能障害」があります。
人それぞれ生まれてから現在までの動作のクセ、仕事、生活習慣や環境などにより特定の運動パターンが発生しています。この特定の運動パターンのうち、問題を引き起こす悪い運動パターンになっている状態を「運動機能障害」といいます。
運動機能障害があると筋力低下や柔軟性の低下、骨格の歪み、異常可動などの問題を引き起こし、上腕二頭筋長頭腱炎など肩の痛みにつながります。
当院ではこのような自覚症状のない問題を根本原因と考え、身体全体の筋肉や骨格を正しい運動パターンに整えることも必要に応じて同時に行っています。