野球に多いスポーツ外傷・障害
野球の投球動作は肩、肘、腰に大きな負担を与えます。また、投球フェーズにより発生しやすい外傷・障害も異なります。
コッキング期に起こるスポーツ外傷・障害
コッキング期では、肩が外転・過外旋するので、肩の前方部分に障害が発生しやすいです。
前方関節唇断裂、肩関節前方亜脱臼、上腕二頭筋腱炎、腱板炎などのスポーツ障害です。
アクセラレーション期に起こるスポーツ外傷・障害
アクセラレーション期は、ボールが手から離れるまでの投球動作で、肩には強い内旋力が働き、上肢全体が鞭のような形になり、肘には強い外反力が作用します。
上腕骨螺旋状骨折(投球骨折)、骨端線損傷(リトルリーガーズショルダー)、関節唇損傷、肩関節前方亜脱臼、腱板損傷、上腕骨内側上顆炎、内側上顆骨端核障害(リトルリーガーズエルボー)、肘関節内側側副靱帯断裂、肘離断性骨軟骨炎、変形性肘関節症の発生がみられます。
フォロースルー期に起こるスポーツ外傷・障害
フォロースルー期では、ボールをリリースした後は肩には牽引力が働き、上腕三頭筋付着部の疼痛や骨棘形成(ベネット症候群)をきたします。肘は回内しながら前方に振りだされるので、肘の離断性骨軟骨炎や変形性肘関節症の原因になります。
その他
捕球、衝突、スライディング、デッドボールなどでも全身の打撲、膝、足関節・足の捻挫、腓腹筋肉離れ、リスフラン関節脱臼、突き指などのスポーツ外傷・障害の発生があります。