痛みを1回で取ろうと目指すことは、良いことか?
こんにちは。あおし整骨院の山田光伸です。
この記事は「痛みを1回で取ろうと目指すことは、良いことか?」というテーマになっています。
辛い症状を1回で取り除いてほしいという気持ちが分からないではないですが、症状を取ることばかりに注目すると過剰に施術してしまって逆効果になる場合があります。
1回で無理に痛みを取ろうとする事によって、身体の別の部分に不調を生じる可能性があるのです。
例えとして小学校の理科で使った天秤を思い出して下さい。
片方の受け皿に物が乗って傾いている天秤を「左右つり合う状態にする」としましょう。
これを1回で済ませようとして、いきなり重い分銅を乗せてしまえば重量が加わりすぎて逆に傾いてしまう可能性がありますよね。
症状も同様に身体のバランスが崩れた結果として出てきています。
なので、そのバランスの崩れ方の程度を考慮せず、過剰に施術をしてしまうとそれはそれでバランスが崩れてしまいます。
また、分銅を乗せてすぐに結果が分かる天秤と違い、身体は施術をしてもすぐに反応が現れないことも多いです。
施術直後にまだ症状が残っているということだけで判断するには注意が必要です。
身体には目盛りがなく客観的に判断しにくいのでなおさらです。
以上のことから当院では痛みやしびれなどの症状を1回で取ろうと目指すことを良いことだとは思っていません。
当院では「症状を取ること」よりも、「身体をバランスの良い状態にすること」が重要だと考えています。
正しくバランスが取れていれば、身体に痛みが残っているとしても、時間が経つにつれて痛みというものは自然と消失していきます。
実際、バランスを整える施術だけでも次回来院時には痛みがほとんど無くなっているという方もいます。
これは人それぞれの回復力や施術前の状態によっても変わってくるものですが・・・。
こんなことからぎっくり腰や寝違いなどの急性外傷であっても、数年間続くような肩こり、腰痛などの慢性症状であっても無理に1日で症状を取ろうとすることを目指す施術よりも、「身体をバランスの良い状態にすること」が重要だと考えています。
症状は結果として生じているわけですから、症状のあるところはなるべくそっとしておきます。
無理やり症状を消そうとする行為は道理に反しているのです。