動きのパターンを見直しましょう
人の体には約640個の筋肉があります。
その筋肉が約206個の骨にくっつき、
伸びたり縮んだりすることで体は動きます。
骨の数に対して、これだけ多くの筋肉がある訳ですから、
一つの関節を動かすのに、複数の筋肉が協力して働いていることになります。
逆に言うと、複数の筋肉で動かしているわけだから
一つや二つの筋肉が働かなくても
関節は動かせてしまうということになります。
これが問題で、この時働いていない筋肉の分、
頑張っている筋肉には負担がかかっています。
負担がかかっているからといって
すぐに痛みが出るわけではないですが、
この状態がしばらく続くと痛みが出るようになります。
これが、「思い当たる原因もなく痛くなった」
というような現象を引き起こします。
さらに問題なのは、そのことを
なかなか自覚できないということです。
例えば、机の上のりんごをつかもうとした場合に、
どの関節を何度曲げて、など考えて行うでしょうか?
考えなくても、りんごをつかもうと考えただけで
ほぼ自動的に腕を伸ばしてつかむことができるはずです。
でも、りんごをつかむ、という動作をするためには
実にいろんなことを体はやってのけています。
このように無意識に行っていることなので自覚が出来ないのです。
Aさんと、Bさんに、同じように腕を伸ばしてりんごをつかむという動作をやってもらったときに、おそらくAさんはAさんなりの腕の伸ばし方をするだろうし、BさんはBさんなりのりんごのつかみ方をすると思います。
腕を伸ばしてりんごをつかむという単純な動作でも、
使う筋肉や関節の違いによって動作の軌跡は人により違います。
同じような動作をするのでも、
その人の動きのパターンに違いがあるのです。
皆それぞれ成長する過程で
動きのパターンを自然に身につけています。
姿勢や動作のクセ、といってしまえばそれまでですが、
人によってはよからぬクセをずっと持ち続けている場合もあります。
本当はもっと楽に動作ができるのに、
わざわざ疲れるような動きのパターンを
身につけてしまっている場合もあります。
また、関節や骨格の動きに制限あるいは緩みがあるために、
動きのパターンが限定されてしまっている場合もあります。
施術は、動きの制限を解放することで、
新しい動きのパターンを体に気づかせる役割も果たします。
しかし、せっかく動きの制限を解放しても、
古いパターンの動作をくり返していると、
また元の状態に戻ってしまいます。
動きの制限を解放すると同時に、
新しい動きのパターンに気づき、
さらにそれを体に記憶させることも大切です。
偏った動きのパターンになっていませんか?
今回の健康豆知識を活かして、ぜひ行動してみてください。