関節が正常な可動域を保つために必要なこと
関節が必要な可動域を保つために必要な大切な条件があります。
- 骨や軟骨、滑膜や関節包、靱帯などといった関節の構造に問題がないこと
- 関節を動かすための主動作筋の筋力が十分であること
- 動きに伴い、拮抗筋が十分に伸ばされること
ですから、これらの条件が満たされない場合は、正常な関節運動ができません。
関節の構造に問題がある場合の原因
- 軟骨や関節面の変性・変形(変形性関節症、関節リウマチ、外傷など)
- 関節包の線維化や滑膜の炎症(関節包肥厚、滑膜炎など)
- 靱帯や腱・関節周囲の皮膚などの変化(靱帯や腱の炎症・肥厚、熱傷や外傷による瘢痕など)
主動作筋の筋力に問題がある場合の原因
- 各種の麻痺(脳血管障害、パーキンソン病、脊髄損傷などの中枢性の麻痺、外傷に伴う末梢性の麻痺など)
- 筋や神経の変性などによる筋力低下(筋ジストロフィー、ギランバレー症候群など)
- 血行障害(糖尿病、閉塞性動脈硬化症など)
- その他(動かないことによる廃用などによる筋力低下)
拮抗筋に問題がある場合の原因
- 筋緊張(脳血管障害や脊髄損傷などでみられる異常な筋緊張など)
- 血行障害など
- 動かないことでの筋の短縮など
関節が正常な可動域になっていない場合は、以上のようなことが考えられます。